バルキーノは釣りの次元を変える
バルキーノは元々漁具なので、釣りには大きな効果を発揮します。バルキーノは引っ張れば沖に向かって進む性質があるため、広範囲を探ることができますし、多数の仕掛けを付けることもできます。今までの竿とリールを使った釣りとは、全く次元が違う釣りを楽しむことができます。 釣りの知識が豊富な方にはバルキーノは特におすすめです。ポイントや海況の判断、魚の動きを予測できる能力を習得した人がバルキーノの操艇を覚えると、忘れられないような釣りの体験をすることができるでしょう。
バルキーノは多数のルアーや餌を引きつつ、沿岸を広範囲に探ることができるアイテム。ラン&ガンやトローリングの釣法に共通する点が多く、より大規模に展開する。
バルキーノのルアー釣り
バルキーノの最も基本的な釣りは、ルアー釣りです。バルキーノのラインから枝針を何本も伸ばし、それぞれにプラグやソフトルアーを付ける方法です。バルキーノを海岸に沿って引っ張れば、ルアーの大群が海岸に沿って泳いでいくことになります。 これはいわゆるルアーマンのいう「ラン&ガン」という、広範囲を移動しながら次々とポイントを狙い撃っていく釣り方を、大規模にしたようなものです。
(左)トップウォーターやボトム狙いに、サビキを組み合わせた例。
(中)プラグは、トップからディープシンカーまで、状況によって使い分ける。
(右)ボトムを引く場合は、必要に応じてシンカーをかませる。
トップウォーター
バルキーノのラインに枝針を伸ばし、フローティングルアーを曳きます。スズキやカマスなど、表層付近を泳ぐ魚が対象となります。青物には特に、大きな効果を出します。ブリやカンパチ、シイラ、サバやアジなどが対象魚となります。 ポッパーやペンシルベイト、ノイジー、スウィッシャーなど、フローティングルアーなら何でも使えます。弓角やカラーパイプなどの疑似餌も、大いに威力を発揮します。
ボトム
ボトムとは海底や湖底を狙う釣り方で、バルキーノではヒラメやコチなどの底魚(フラットフィッシュ)や、エソなどが対象魚となります。使うルアーはワームなどのソフトルアーや、シンキングミノーです。 ボトムを砂浜から狙うサーフトローリングなどでは、飛距離が稼げるジグが大いに活躍しますが、バルキーノはリーリングよりも速度が遅いため、ジグやスプーンなどの重く沈みやすいルアーは根掛かりが起きやすく、バルキーノには不向きです。
中層
中層を狙う場合は、ボトム狙いのルアーを曳く枝針に更に枝針を出し、ルアーを曳かせる方法を使います。スズキや太刀魚の曳き釣りに似た仕掛けです。 この方法では上層から中層、低層までの全ての水深を広範囲で狙えますが、仕掛けが複雑になるため、バルキーノの出艇時に波打ち際で仕掛けが絡まるなどのトラブルも多くなります。
表層、中層、底層など、ルアーや仕掛けを工夫すれば、どんなタナも広く探れる。対象魚の幅も広がる。
バルキーノの餌釣り
バルキーノは餌釣りにも威力を発揮します。最大の利点は、仕掛けの数を多くすることができるということです。 一般的な投げ釣りの場合は、ポイントまで仮に150メートル遠投したとしても、仕掛けの部分はせいぜい数メートルで、針の数も5、6本です。またあまりにも遠投した場合、衝撃で餌がちぎれてしまうというトラブルも起きます。 しかしバルキーノではゆっくりと、何本もの針が付いた長大な仕掛けを運ぶことができます。餌がちぎれる心配もありませんし、針が多いので釣れる確率も格段に上がります。
バルキーノに仕掛けを運んでもらう
バルキーノを引っ張るラインに枝針を出し、餌を付けても良いですが、バルキーノ自体に仕掛けを付けて沖へ向かわせ、バルキーノを「浮き」として潮に漂わせる方法もあります。 はえ縄のような長い胴付き仕掛けを作り、重りをバルキーノに乗せて沖合まで運んでもらう方法もあります。目的の地点で胴付き仕掛けを引っ張って重りを落とせば、長大な仕掛けをポイントに投入することができます。
バルキーノ釣りの注意点
バルキーノは ①広範囲を探れる ②多針である という点で、大変有利になりますが、釣れすぎて食べられないというようなことだけはないように、注意したいものです。 バルキーノの艇長様たちには、いつも心の片隅に、海洋環境の保全への思いを持ち続けていただきたいと思います。